公開買取実績ではYAS-875が15万円、YAS-875Sが20万円、YAS-875Gが26万円。2026年8月の875/875EX参考相場は13万〜28万円ですが、仕様・状態で査定額は変わります。
30年以上前の個体もあるYAS-875だからこそ、年式だけで価値を判断するのは早計です。型番・仕上げ・純正ネック・管体・タンポを正しく確認することが、納得できる売却への第一歩になります。
YAS-875の買取相場はいくら?公開実績を比較
YAS-875を手放そうと考えたとき、まず知りたいのは「自分の楽器はいくらくらいになるのか」でしょう。
公開されている個別の買取実績では、通常ラッカーのYAS-875が15万円、銀メッキのYAS-875Sが20万円、金メッキのYAS-875Gが26万円で買い取られた事例を確認できます。
主な条件を整理すると、次の通りです。
モデル 公開買取価格 時期 確認できる仕様・状態 公開元
YAS-875 150,000円 2021年5月 M1ネック、1988〜89年頃、外観良好 サックス高く売れるドットコム
YAS-875S 200,000円 2020年4月 銀メッキ、M1ネック、外観良好 サックス高く売れるドットコム
YAS-875G 260,000円 2020年11月 金メッキ、タンポ劣化あり サックス高く売れるドットコム
同じ「875」という名前を持つ3例でも、15万円から26万円まで11万円の差があります。
ただし、この11万円を「ラッカーと金メッキの差」とだけ解釈することはできません。3本はそれぞれ別個体であり、仕上げだけでなく製造時期、保存状態、タンポ、管体、キー、ネックなど査定条件が異なるためです。
また、サックス高く売れるドットコムが公開しているYAS-875/YAS-875EXの情報では、2026年8月時点の参考相場として13万円〜28万円、平均20万円という価格帯が示されています。
ここで重要なのは、「平均20万円=自分のYAS-875も20万円」という意味ではないことです。
相場は自分の楽器の値札ではなく、いわば中古市場の地図です。自分がその地図のどこにいるのかを知るには、型番や仕上げ、ネック、状態まで照合しなければなりません。
さらに、15万円・20万円・26万円の個別事例は2020〜2021年の実績です。2026年現在の査定価格を保証するものではありません。
一方で、初期世代のYAS-875にも実際に価格が付いていることを確認できる点は重要です。
「古い875だから値段は付かないだろう」と、査定前に持ち主自身が価値を決めてしまう必要はありません。
これは長くケースにしまったままのYAS-875を持っている方に、最初に知ってほしいポイントです。
YAS-875とは?1988年登場のCustomシリーズを知る
YAS-875は1988年に登場したヤマハの上位アルトサックスで、YAS-855とともに初期のCustomシリーズを構成したモデルです。
現在の875系につながる歴史を考えるうえでも、YAS-875は重要な存在です。
ここで売却時に理解しておきたいのは、中古楽器は「古いモデル=新しいモデルより価値が低い」と単純には決められないことです。
スマートフォンやパソコンなら、新世代になるほど処理性能が向上し、旧型が機能面で置き換えられることがあります。
しかしサックスでは、設計によって吹奏感、抵抗感、響き方、音色の傾向が変わります。その違い自体を好んで旧モデルを選ぶ奏者もいます。
YAS-875についても、後継系統のYAS-875EXとまったく同じキャラクターではありません。
旧875の響きや吹奏感については販売店・買取店などでもさまざまな評価があり、個体によって演奏者の受け止め方も変わります。そのため、「875EXが新しいから旧875より常に上」と価格まで単純化するのは適切ではありません。
リペアラーとして私自身も、サックスは型番だけで完結する道具ではないと考えています。
同じモデルでも、長年の使用や調整によってキーの動きや密閉状態は変わります。旧モデルの場合は特に、年式だけではなく現在の楽器としてのコンディションを見ることが重要です。
YAS-875とYAS-875EXは別物として相場を見る
「YAS-875 買取相場」と検索すると、YAS-875EXの価格も数多く出てきます。
名前が似ているため混同しやすいのですが、売却価格を調べる際は分けて考えましょう。
イシバシ楽器の公開買取価格では、アルトサックスのYAS-875EX-03について24万円・20万6,000円・17万3,000円という状態別の参考価格が掲載されています。
YAS-875EX ALTO SAX G1 NECKでは19万8,000円・15万9,000円、銀メッキ仕様のYAS-875EXS-03 G1 NECKでは25万円・22万3,000円・18万8,000円という掲載価格があります。
さらに金メッキ仕様のYAS-875EXG-03では57万円・48万円・40万5,000円と、通常仕様とはかなり異なる価格帯です。
これは、「875EX」という文字だけ拾って相場を比較してはいけないことをよく表しています。
通常ラッカーなのか、銀メッキなのか、金メッキなのか。さらに世代やネック、状態が違えば、比較すべき価格も変わるからです。
実際の買取例では、サックス高く売れるドットコムが2026年9月12日に東京都で、YAS-875EX・G1ネック・SELMER S80 C付き・中古良好の個体を18万円で買い取った実績を公開しています。
ここで、イシバシ楽器の価格表と18万円の実買取例を「どちらが正しいのか」と比べる必要はありません。
公開されている参考買取価格と、一台の現物を確認して成立した買取実績は性質の違う数字だからです。
価格表には状態などの前提条件があります。一方、現物査定では傷、凹み、タンポ、キー、ネック、付属品など、その一本固有の条件が反映されます。
相場を調べるときは「同じ875系だから」ではなく、できるだけ自分の個体に近い条件を探してください。
YAS-875の査定額を左右するポイントは?
YAS-875を査定するなら、私は傷を数えることより先に「この一本が何者なのか」を特定することが重要だと考えます。
そのうえで、演奏に関わる不具合と、主に外観上の変化を分けて見ていきます。
まずYAS-875・875S・875Gを確認する
最初に確認したいのが正確な型番と仕上げです。
通常ラッカーのYAS-875、銀メッキ仕様のYAS-875S、金メッキ仕様のYAS-875Gでは、同じ875系でも条件が異なります。
先ほど紹介した公開実績でも、それぞれ15万円、20万円、26万円でした。
ただし、別々の中古個体なので「銀メッキなら5万円高い」「金メッキなら11万円高い」という計算はできません。
大切なのは、自分の楽器と違う仕上げの価格を、そのまま自分の相場にしないことです。
また、「875」という数字だけで検索すると、アルト以外の875系が混ざる場合があります。
ヤマハの品番ではYASはアルトサックス、YTSはテナーサックス、YSSはソプラノサックスです。YTS-875EXやYSS-875EXの価格は、YAS-875の相場として比較できません。
M1・G1などネックも確認する
次に確認したいのがネックです。
公開されている1988〜89年頃のYAS-875と、1980年代後半とされるYAS-875Sの実績では、いずれもM1ネックが確認されています。
後の875系にはG1ネックを備えた仕様もあります。
ネックはケースの中に入っている「付属品の一つ」に見えるかもしれませんが、サックスでは息を管体へ送り込む重要な部分です。ネックの形状は吹奏感や音の反応にも関係します。
そして中古査定という視点では、その個体に対応する純正ネックが残っているかを確認できることにも意味があります。
長期間使っていない楽器では、本体とネックを別々の場所に保管しているケースもあります。売却前にはケースや収納場所を一度確認し、購入時のネックがあれば必ず本体と一緒に提示してください。
U字管の凹みは「見た目」だけの問題ではない
リペアの現場感覚で、特に注意して見たいのがベル、管体、そして底部のU字管です。
小さな擦り傷やラッカーの変色は、まず外観状態として評価されます。しかし大きな凹みや変形は、それだけでは済まない場合があります。
とくにU字管周辺は楽器の下側に位置するため、ぶつけた痕跡が残りやすい部分です。
凹みの程度や場所によっては修正作業が必要になりますし、周辺のキーや連結部分まで影響していれば整備範囲も広がります。
ここが、単純な「傷」と「修理を伴う可能性のあるダメージ」の違いです。
そして凹みを発見しても、自分で内側から押したり、工具を使って戻したりしないでください。
金属管体は、力を加えれば元通りになるほど単純ではありません。見た目だけを戻そうとして別の変形を作れば、結果的に整備箇所を増やす可能性があります。
キーのガタや動作は演奏状態に直結しやすい
もう一つ、外観写真だけでは判断しにくいのがキーの状態です。
サックスは多数のキーが連動して動く楽器です。長期間使っていると、キーの動き、連結部分、バネ、軸まわりなどに状態変化が生じることがあります。
たとえばキーがスムーズに戻らなかったり、必要以上の遊びを感じたりする場合、単なる見た目の問題ではなく調整対象になる可能性があります。
ただし、「少し動きがおかしい」と感じたからといって、自分でキーを曲げて直すのは避けてください。
キーは一部分だけを見て調整するものではありません。連動する別のキーやタンポの閉じ方まで変化するため、自己流で曲げるとかえって状態判断を難しくします。
タンポ劣化は即「価値なし」ではない
タンポは、キーを押したときに音孔を塞ぐための部品です。
経年によって硬くなったり、傷んだりすると、音孔を十分に塞げなくなることがあります。いわゆる「息漏れ」が起これば、音の出しやすさや反応にも影響します。
初期のYAS-875は1980年代までさかのぼるため、本体外観がきれいでも消耗部品まで新品同様とは限りません。
ここで参考になるのが、公開実績にあるYAS-875Gです。
この個体はタンポの劣化が確認されていながら、26万円という買取実績が公開されています。
もちろん、別のYAS-875でも同額になるという意味ではありません。
それでも、タンポが劣化しているだけで「売れない」「価値がない」と決める必要はないことは分かります。
査定側は、現在の商品価値と、販売可能な状態へ整えるために必要な作業を踏まえて判断します。
私が査定前のセルフチェックでおすすめしたいのは、「直すこと」ではなく「伝えられる状態にすること」です。
「長期間吹いていない」「特定のキーが動きにくい」「音が出にくい気がする」といった情報があれば、そのまま伝えれば十分です。
YAS-875を売る前に修理や磨きは必要?
結論は、売却価格を上げることだけを目的に、高額な修理を先に行う必要はありません。
修理費として支払った金額が、そのまま査定価格へ上乗せされるとは限らないからです。
たとえば長期間ケースに保管していたYAS-875なら、タンポの劣化やキーの調整が必要になっている可能性があります。
しかし、数万円をかけて整備した結果、査定価格が修理代以上に上昇する保証はありません。
売却が目的なら、現状査定→必要なら修理費と査定への影響を確認→修理するか判断という順番のほうが、余計な出費を避けやすいと私は考えます。
清掃も同じです。
表面のほこりを柔らかいクロスで軽く拭き取る程度であればよいですが、変色や細かな傷を消そうとして強く研磨する必要はありません。
特に銀メッキや金メッキは仕上げそのものが仕様の一部です。
家庭にある研磨剤や工具を使って「査定前にきれいにしておこう」と作業するより、現状を保ったまま専門家に見せるほうが安全です。
また、凹みの押し戻し、キー曲げ、分解調整も避けてください。
売却前に必要なのは、修理の腕前ではなく、その一本の状態を正しく把握することです。
修理履歴は捨てずに一緒に出す
ケースのポケットに保証書や修理明細が残っているなら、捨てずに本体と一緒に用意しましょう。
私は修理履歴を「故障した証拠だから隠したほうがいい」と考える必要はないと思っています。
適切な整備記録であれば、「いつ、どのような作業を受けたのか」を確認する手掛かりになるからです。
もちろん、修理明細があるだけで買取価格が上がるわけではありません。
それでも中古楽器では、過去の状態が何も分からない一本より、メンテナンス履歴を確認できることが状態判断の助けになる場合があります。
純正ケース、ネック、マウスピース、リガチャー、キャップ、保証書、取扱説明書、調整用工具なども、残っているものはまとめてください。
逆に、付属品を紛失していても、それだけを理由に査定を諦める必要はありません。本体と手元に残っている付属品を、そのまま確認してもらえばよいのです。
YAS-875の買取相場はどう判断すれば後悔しにくい?
ここからは、公開価格とリペアラーとして楽器を見てきた経験を踏まえた私見です。
YAS-875の売却で私が最も避けてほしいのは、査定を受ける前に「30年以上前の楽器だから大した値段にはならない」と持ち主自身が結論を出してしまうことです。
公開実績では、1988〜89年頃とされるM1ネック付きYAS-875が15万円で買い取られています。
1980年代後半とされる銀メッキのYAS-875Sには20万円、タンポに劣化が確認されたYAS-875Gには26万円という公開実績があります。
この3例から読み取るべきなのは、「古い875は高く売れる」ということではありません。
経過年数だけでは、中古サックスの価値を説明できないということです。
サックスの査定では、モデル自体の市場評価に加え、仕上げ、ネック、管体、キー、タンポなど複数の要素が重なります。
ここに、一般的な中古製品とは少し違う楽器のおもしろさがあります。
旧YAS-875では「演奏できる状態か」も重要になる
外観の写真だけなら、傷や変色、凹みはある程度確認できます。
しかし、写真ではタンポが音孔を正しく塞いでいるか、キーが適切に連動しているか、実際に吹いたときにどのような反応をするかまでは分かりません。
初期のYAS-875のように製造から長い時間を経た楽器ほど、私はここを分けて考えるべきだと思っています。
見た目に使用感があっても、きちんと整備されて演奏できる一本があります。
反対に、外観が非常にきれいでも、長期間演奏されずタンポや機構に整備が必要な一本もあります。
つまり、「きれい=コンディションが良い」とは限らないのです。
これはリペアの視点から見ると非常に重要です。
ベルの擦り傷は主として外観評価の問題でも、タンポの密閉不良やキー機構の不具合は演奏性と整備コストに関係します。U字管などの大きな凹みも、場所や程度によって必要な作業が変わります。
だから私は、旧YAS-875では傷の数だけではなく、楽器として現在どこまで機能しているのかまで確認できる査定のほうが、金額の理由を理解しやすいと考えています。
相場表より「査定理由」を比較する
もう一つおすすめしたいのが、査定価格だけでなくその金額になった理由を確認することです。
たとえば18万円と20万円という2つの査定が出たとしても、2万円の差だけでは判断材料として十分ではありません。
「タンポ交換を想定している」「U字管の凹みを修正する必要がある」「純正ネックがそろっている」「銀メッキ仕様として評価している」といった説明があれば、自分のYAS-875がどう評価されたのかが見えてきます。
複数の査定を比較するときにも、この説明は役立ちます。
ある査定では管体状態が主な減額理由なのに、別の査定ではそこが問題視されていないなら、単なる金額比較より深い判断材料になるからです。
私は中古楽器の相場を見るとき、最高額だけを追うよりも、「なぜその価格なのかを説明できる査定か」まで見ることが、後悔を減らすポイントだと考えています。
2020〜2021年の実績と2026年の相場を混ぜない
YAS-875を調べるうえで、もう一つ忘れてはいけないのが日付です。
この記事で紹介したYAS-875・875S・875Gの15万円、20万円、26万円は、2020〜2021年に公開された個別の買取実績です。
一方、13万円〜28万円・平均20万円という参考相場は、サックス高く売れるドットコムが2026年8月時点で公開しているYAS-875/YAS-875EXの情報です。
そしてYAS-875EXの18万円という実績は2026年9月12日の事例です。
このように、「過去に実際に買い取られた価格」「現在公開されている参考相場」「現在の価格表」では意味が違います。
中古市場の価格は固定されません。
市場での需要、販売価格、在庫、個体状態などによって査定条件は変わるため、過去実績は「今も必ずこの値段になる答え」ではなく、自分の個体を判断するための比較材料として使うのが適切です。
これが、YAS-875の相場を調べるうえで最も大切な読み方だと私は考えています。
まとめ|YAS-875の買取相場は仕様と状態まで見て判断しよう
YAS-875の公開買取実績では、サックス高く売れるドットコムに通常のYAS-875が15万円、銀メッキのYAS-875Sが20万円、金メッキのYAS-875Gが26万円という事例があります。
また、同サイトが2026年8月時点で公開するYAS-875/YAS-875EXの参考相場は13万円〜28万円、平均20万円です。ただし、過去の個別実績や参考相場は現在の査定価格を保証するものではありません。
売却前に確認したいのは、正確な型番、通常ラッカー・銀メッキ・金メッキなどの仕上げ、M1やG1などのネック、ベルやU字管の凹み、キー、タンポ、そして残っている付属品です。
とくに初期のYAS-875では、外観がきれいかどうかだけではコンディションを判断できません。タンポの密閉やキー機構など、実際の演奏状態に関係する部分と単なる外観変化を分けて見ることが大切です。
査定前に高額な修理をしたり、強く研磨したりする必要もありません。
まず現状を確認し、本体と純正ネック、ケース、保証書、修理明細など残っているものをそろえて査定してもらう。そのうえで、金額だけでなく「なぜこの査定額になったのか」を確認してみてください。
YAS-875は、長い時間を経たからという理由だけで価値を決められる楽器ではありません。
学生時代に吹いていた一本なら、傷や変色の一つひとつにも、その楽器が使われてきた時間があります。だからこそ、持ち主が先に「古いから価値がない」と決めず、その一本の仕様と現在の状態を正しく見てもらうことが、納得して次の奏者へ渡すための出発点だと私は考えています。
よくある質問
YAS-875の買取相場はいくらですか?
サックス高く売れるドットコムの公開実績では、YAS-875が15万円、YAS-875Sが20万円、YAS-875Gが26万円で買い取られた事例があります。
同サイトが2026年8月時点で公開するYAS-875/YAS-875EXの参考相場は13万円〜28万円、平均20万円です。ただし、個別実績は2020〜2021年のもので、現在の査定額は仕様・状態・市場状況などによって変わります。
古いYAS-875やタンポが劣化した個体でも売れますか?
査定対象になる可能性があります。
実際に1988〜89年頃とされるM1ネック付きYAS-875の買取実績があり、YAS-875Gではタンポ劣化が確認された個体にも26万円の公開買取実績があります。古さや消耗部品の状態だけで価値がないと自己判断せず、まず現状のまま確認してもらうのがよいでしょう。
YAS-875とYAS-875EXは同じ相場で考えてよいですか?
同じ相場として扱わないほうが適切です。
YAS-875とYAS-875EXは世代や仕様が異なり、875EXにも通常ラッカー、銀メッキ、金メッキ、ネック違いなどがあります。「875」という数字だけで比較せず、YAS-875/YAS-875S/YAS-875Gなど正確なモデルと仕様を確認して、条件の近い価格を見ることが重要です。
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