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YTS-380の買取相場は?テナーサックスを売る前の査定チェック

明るい室内でYTS-380のテナーサックス本体とケースを並べ、買取相場と査定ポイントを確認している場面 サックス

YTS-380の公開買取情報では、中古品4万〜6.5万円、美品7万〜9万円前後がひとつの目安です。

ただし、この価格帯には状態別の買取価格、参考相場、上限価格が混在しています。YTS-380を納得できる条件で手放すには、金額だけでなく「その価格がどんな条件で示されているのか」まで読むことが重要です。

学生時代の吹奏楽や社会人バンドで吹いていたYTS-380が、何年もケースの中で眠っている。「今ならいくらになるのだろう」「古くなっているから数万円にもならないのでは」と気になっている方もいるでしょう。

この記事では、公開されているYTS-380の価格情報を条件別に整理したうえで、楽器リペアラーの視点から、査定額が変わる理由、売却前に確認したい箇所、修理を先にするべきかまで具体的に解説します。

  1. YTS-380の買取相場はいくら?公開価格を条件別に比較
    1. 4万〜9万円は保証された買取価格ではない
  2. なぜYTS-380の査定額は状態によって数万円変わる?
    1. 外観の傷と演奏上の不具合は分けて考える
    2. タンポはYTS-380の演奏状態を左右する
    3. キーはわずかなずれでも演奏状態に影響する
    4. 凹みは大きさだけでなく場所も重要
  3. YTS-380を売る前にどこを確認すればいい?
    1. まずYTS-380であることを確認する
    2. ベル・U字管・ネックは明るい場所で確認する
    3. キーとタンポは「直す」より「状態を見る」
  4. YTS-380のケースやマウスピースは買取価格に影響する?
    1. 修理明細は「そのYTS-380の履歴」になる
  5. YTS-380を納得できる条件で売るにはどうすればいい?
    1. 強い研磨・凹み修正・キー調整は避ける
    2. 「最高公開価格」より実物の減額理由を見る
    3. YTS-380では「査定額」と「整備見込み」を分けて聞く
    4. 宅配・店頭・出張はテナーサックスの大きさも考える
  6. YTS-380は今売るべき?リペアラーとして考える判断基準
    1. 「学生向けに買ったから安い」と自己査定しない
    2. 公開相場は「売値の答え」ではなく査定結果を読む物差し
    3. 傷の数より「次の奏者が使えるまでの距離」を見る
  7. まとめ:YTS-380の買取相場は中古4万〜6.5万円、美品7万〜9万円が目安
  8. よくある質問
    1. YTS-380の買取相場はいくらですか?
    2. 長期間吹いていないYTS-380でも査定できますか?
    3. YTS-380はケースやマウスピースがなくても売れますか?

YTS-380の買取相場はいくら?公開価格を条件別に比較

YTS-380の公開価格を整理すると、状態の良い個体では7万〜9万円前後、一般的な中古品では4万〜6.5万円前後が参考帯として確認できます。

ただし、ここで最初に理解しておきたいのは、公開されている数字がすべて同じ種類の「買取実績」ではないことです。

公開情報 価格の性質 状態・条件 公開価格
イシバシ楽器 状態別買取価格 美品 90,000円
イシバシ楽器 状態別買取価格 良品 80,000円
イシバシ楽器 状態別買取価格 並品 70,000円
イケベ楽器店 通常買取価格 新品に近く付属品欠品なし 80,000円
リユース相談本舗 上限買取価格 上限額として掲載 50,800円
楽器高く売れるドットコム 参考相場 美品 70,000〜90,000円
楽器高く売れるドットコム 参考相場 中古品 40,000〜65,000円

イシバシ楽器では「YTS-380 TENOR SAX(2012/11-)」について、美品90,000円、良品80,000円、並品70,000円という状態別の価格が示されています。

イケベ楽器店では2025年10月7日公開の情報として80,000円。ただし、こちらは新品に近い状態で付属品の欠品がないことを前提とした価格です。

リユース相談本舗では上限買取価格50,800円、楽器高く売れるドットコムでは美品70,000〜90,000円、中古品40,000〜65,000円という参考相場が示されています。

ここで重要なのは、90,000円と50,800円を単純比較して「店によって39,200円も違う」と判断しないことです。

状態別買取価格、通常買取価格、参考相場、上限買取価格では、そもそも数字の定義や前提条件が異なるからです。

また、今回中心としているのは各社が公開している価格情報であり、「特定のYTS-380が○年○月に○円で実際に買い取られた」と確認できる成約実績とは区別する必要があります。

この記事では、その違いを明確にしたうえで、公開価格から読み取れる範囲をYTS-380の買取相場の目安として扱います。

4万〜9万円は保証された買取価格ではない

「YTS-380は4万〜9万円」と聞くと、自分の楽器もその範囲で必ず売れるように感じるかもしれません。

しかし、4万〜9万円は保証額ではありません。

90,000円はイシバシ楽器では美品に対して示された価格であり、楽器高く売れるドットコムでも美品参考相場の上限側です。

一方、同じ楽器高く売れるドットコムでは、中古品について40,000〜65,000円という参考帯が示されています。

つまり公開情報から大まかに整理するなら、

  • 美品として評価される個体:70,000〜90,000円前後
  • 一般的な中古品:40,000〜65,000円前後
  • 状態別価格では並品70,000円という設定例もある
  • 上限価格自体を50,800円としている公開例もある

という複数の見方が存在します。

「中古品なら必ず6.5万円以下」「きれいなら必ず9万円」という意味ではありません。

むしろ公開価格から分かるのは、YTS-380は個体の状態と査定基準によって数万円単位の差が生まれ得るモデルだということです。

価格情報は変更される可能性もあります。実際に売却するときには各社の最新条件と、現物を見たうえで提示される査定額を確認してください。


なぜYTS-380の査定額は状態によって数万円変わる?

YTS-380の査定額に差が生じる理由のひとつは、次の奏者が使える状態にするまでに必要な整備内容が一台ずつ異なるからです。

サックスは、金属製の管体がきれいなら価値が高いという単純な楽器ではありません。

キー、タンポ、フェルト、コルクなど多くの部品が連動し、トーンホールを適切に塞いで気密を確保することで、初めて本来の演奏性能を発揮します。

外観の傷と演奏上の不具合は分けて考える

何年も吹いていなかったYTS-380をケースから出すと、最初に気になるのはラッカーの擦れや小傷かもしれません。

しかしリペアラーとして私が見てほしいのは、「見た目の使用感」と「演奏機能に影響する不具合」を一緒にしないことです。

演奏や持ち運びによる細かな擦り傷があっても、キーが正常に動き、大きな凹みがなく、タンポの密閉状態にも大きな問題がなければ、再び演奏可能な状態へ整える負担は比較的小さい可能性があります。

反対に、外観が非常にきれいでも安心はできません。

数年間ケースに入れたままだった個体では、タンポやコルクが経年変化していたり、キーバランスがずれていたりする場合があります。

見た目がきれいなことと、楽器として調整状態が良いことは同義ではありません。

中古管楽器の査定を理解するうえで、これは非常に重要な視点です。

タンポはYTS-380の演奏状態を左右する

タンポとは、キーの裏側に取り付けられている部品です。

キーを閉じるとタンポがトーンホールを塞ぎ、管内の気密を保ちます。この密閉が崩れると息漏れが生じ、低音が出しにくい、レスポンスが悪いといった症状につながることがあります。

ただし、タンポは見た目だけで簡単に寿命を判断できません。

多少使用感があっても密閉できている場合がありますし、一見きれいでも当たり方が悪く、調整を必要としていることがあります。

だからこそ、査定前に所有者自身が「古いから全部交換しなければ」と判断する必要はありません。

タンポ交換には費用がかかります。

売却目的であれば、その費用を査定額の上昇分で回収できるかどうかは別問題です。

キーはわずかなずれでも演奏状態に影響する

サックスのキーは、それぞれが完全に独立しているわけではありません。

複数のキーが連動して動く部分があり、わずかな調整のずれによって、本来同時に閉じるべきタンポの片方に隙間が生まれることがあります。

長期間保管していたYTS-380を久しぶりに吹き、「昔より低音が出しにくい」と感じても、それだけで大きな故障だとは判断できません。

一方で、改善しようとして自分でキーを曲げるのは避けてください。

キーは複数の部品との位置関係で調整されています。一か所を力任せに動かすことで、別の連動部分まで狂わせる可能性があります。

※画像はAIによるイメージ

凹みは大きさだけでなく場所も重要

YTS-380のようなテナーサックスでは、ベル、管体、U字管、ネックなども査定前に見ておきたい部分です。

とくに本体下部のU字管周辺は、床や椅子などへぶつけた経験があるなら、打痕や変形がないか明るい場所で確認してみてください。

ネックも重要です。

サックスのネックは単なるアクセサリーではなく、息が最初に通過する楽器本体の重要な構成部分です。

大きな凹みや不自然な変形がないか、目視できる範囲で確認しましょう。

ただし、凹みを発見しても自分で押し戻すことはおすすめしません。

金属は「反対側から押せば戻りそう」に見えますが、実際の修理では変形した範囲や金属への影響を確認しながら作業します。

査定額を上げるつもりのDIY修理で状態を悪化させてしまっては、本末転倒です。


YTS-380を売る前にどこを確認すればいい?

YTS-380の査定前に必要なのは、楽器を新品のように仕上げることではありません。

「自分が持っている楽器は何なのか」「現在どんな状態なのか」を整理することが先です。

専門工具は必要ありません。

型番とシリアル、ベル、管体、U字管、ネック、キー、タンポ、付属品という順番で、無理なく見られる範囲を確認すれば十分です。

まずYTS-380であることを確認する

意外と見落とされやすいのが型番です。

学生時代に保護者から買ってもらった楽器や、学校・先輩の勧めで購入した楽器では、「ヤマハのテナーサックス」ということは覚えていても、正確なモデル名を忘れていることがあります。

査定ではモデルの特定が重要です。

ヤマハのテナーサックスにはYTS-380だけでなく、YTS-62、YTS-82Z、YTS-875EXなどがあり、モデルによって公開されている参考価格帯も異なります。

楽器高く売れるドットコムの美品参考相場では、YTS-380が70,000〜90,000円であるのに対し、YTS-62は130,000〜160,000円、YTS-82Zは250,000〜310,000円、YTS-875EXは260,000〜320,000円とされています。

同じヤマハのテナーサックスでも、型番が違えば価格帯は大きく変わります。

つまり、型番確認は査定前の小さな作業ではなく、相場そのものを取り違えないための出発点なのです。

シリアル番号についても、確認できる範囲で控えておくと査定時の情報整理に役立ちます。

ベル・U字管・ネックは明るい場所で確認する

型番を確認したら、楽器を明るい場所へ移して全体を見ます。

ベルや管体に目立つ凹みがないか、U字管周辺に打痕がないか、ネックに大きな変形がないかを確認してください。

細かな傷を一つずつ数える必要はありません。

査定前の目的は自分で「美品」「並品」とランク付けすることではなく、査定担当者へ伝えられる程度に現状を把握することです。

「ベルに小さな凹みがある」「U字管に傷がある」「ネックは見たところ大きな変形がない」。

この程度の確認で構いません。

キーとタンポは「直す」より「状態を見る」

キーについても同じです。

通常の運指と同程度の力で軽く操作し、明らかに動かないキーや強い引っ掛かりがないかを見る程度にしてください。

タンポも、見える範囲で大きな破れや強い劣化がないか確認する程度で十分です。

分解して内部を見る必要はありません。

私は売却予定のサックスについては、「修理してから査定」より「現状査定を受けてから修理の必要性を考える」という順番が合理的だと考えています。

仮に売却前の整備へ数万円を使っても、査定額が同額上昇するとは限らないからです。

買取店が再販売前に必要と判断する整備と、所有者が事前に依頼した修理内容が一致する保証もありません。

たとえば一部の調整で対応できる状態なのに、売却のためだけに広範囲の部品交換を行えば、支払った修理費を回収できない可能性があります。

逆に、所有者がタンポを心配していたのに、査定では管体やネックの状態のほうが大きく評価へ影響するケースも考えられます。

修理費と査定額の上昇幅は、イコールではありません。

この一点を知っているだけでも、査定前の不要な出費を避けやすくなります。


YTS-380のケースやマウスピースは買取価格に影響する?

YTS-380を査定へ出すなら、純正ネックやケースを中心に、購入時の付属品が残っていないか一度探してみてください。

付属品が欠けているからといって、本体そのものが査定対象外になるとは限りません。

一方で、イケベ楽器店の公開価格のように、付属品の欠品がないことを条件に含めている例もあります。

※画像はAIによるイメージ

最初に確認してほしいのはネックです。

マウスピースと一緒に取り外して保管するため、付属品のような感覚になりやすいのですが、ネックはサックスを構成する重要なパーツです。

本体と組み合わせて使っていた純正ネックがあるなら、忘れず一緒に査定へ出しましょう。

ケースも確認してください。

そのほか、購入時の純正マウスピース、リガチャー、取扱説明書、保証書、工具類などが残っているなら、一度まとめておくと査定時に確認しやすくなります。

ただし、「マウスピースを紛失したから売れない」「説明書がないから大幅に安くなる」と自分だけで結論を出す必要はありません。

付属品による影響は、査定条件によって異なります。

修理明細は「そのYTS-380の履歴」になる

私が捨てずに探してほしいと思うものが、過去の修理明細です。

10年近く所有している楽器なら、「一度タンポを交換した気がする」「学生時代に全体調整を受けた」という記憶はあっても、正確な時期や作業内容まで覚えていないことがあります。

修理明細が残っていれば、どの時期にどのような整備を受けたのか確認できます。

もちろん、修理歴があるだけで査定額が上がるとは限りません。

それでも明細には、現在の個体を理解するための情報を増やせるという価値があります。

中古サックスは、同じYTS-380という型番でも一台一台が違います。

吹奏楽部で毎日のように吹かれた一本と、数年間だけ使用して丁寧に保管されていた一本では、同じ年式でもコンディションは同じではありません。

私は楽器を見ていて、この「履歴」という考え方はもっと重視されてよいと感じています。

中古楽器の価値は、型番だけで決まる数字ではありません。

型番が相場の土台を作り、その上に一台ごとの状態と履歴が重なって最終的な評価が作られる。

この感覚を持っておくと、公開価格と実際の査定額に差があったときにも、その理由を理解しやすくなります。


YTS-380を納得できる条件で売るにはどうすればいい?

YTS-380を売る前に優先したいのは、過剰なクリーニングや修理ではありません。

現状を把握し、同じ個体を同じ時期に査定してもらい、提示額だけでなく評価理由まで比較することです。

今回確認しただけでも、公開価格には40,000円から90,000円まで幅があります。

だからこそ、一つの価格表を見て「自分のYTS-380はこの金額だ」と決めつけるのは早いのです。

強い研磨・凹み修正・キー調整は避ける

査定前に少しでもきれいにしておきたい。

大切にしてきた楽器ほど、そう思うのは自然なことです。

ただし、何年も保管していたYTS-380を、査定直前になって新品のような状態へ戻そうとする必要はありません。

強い研磨剤を使う、凹みを押し戻す、キーを曲げる、分解して内部を掃除するといった作業は避けましょう。

表面のホコリを無理のない範囲で取り除き、ケース内の私物を整理する程度で十分です。

とくに強い研磨は注意が必要です。

ラッカーや表面の状態も個体のコンディションを判断する情報ですから、査定のために無理に外観を変えてしまうより、現在の状態をそのまま見てもらうほうが安全です。

「最高公開価格」より実物の減額理由を見る

今回の公開情報では、イシバシ楽器の美品価格が90,000円である一方、リユース相談本舗では上限買取価格50,800円となっています。

数字だけを比べれば39,200円の差です。

しかし、これをそのまま「同じYTS-380でも店によって39,200円違う」と読むのは適切ではありません。

前者は状態別価格、後者は上限価格として示されており、価格設定の考え方が異なるからです。

本当に比較したいのは、同じYTS-380を同じ時期に見せたときの査定結果です。

仮にA社が70,000円、B社が60,000円だったとしても、「A社のほうが1万円高い」で終わらせず、可能なら評価理由を確認してください。

タンポやキーバランスの整備をどの程度見込んでいるのか。

管体やU字管、ネックの状態をどう評価したのか。

ケースなどの付属品が査定へ影響しているのか。

理由が分かれば、価格比較がそのまま自分のYTS-380の状態診断にもつながります。

これは公開相場を見るだけでは得られない情報です。

YTS-380では「査定額」と「整備見込み」を分けて聞く

私が特におすすめしたいのは、査定額だけでなく「どの部分に整備が必要と判断されたのか」を確認することです。

中古管楽器では、査定担当者が再販売までの整備コストを見込んで評価することがあります。

そのため「傷があるから安い」と思っていた個体でも、実際には傷よりタンポやキーバランスのほうが査定に影響している可能性があります。

逆に、自分ではタンポの古さを心配していたのに、演奏上は大きな問題がなく、別の部分が評価を分けているかもしれません。

ここには、公開されている「美品」「良品」「並品」という言葉だけでは見えない情報があります。

査定額は結果、減額理由はその結果に至った診断材料です。

私は、この二つをセットで聞くことが、YTS-380を納得して手放すうえで非常に有効だと考えています。

宅配・店頭・出張はテナーサックスの大きさも考える

YTS-380はテナーサックスなので、アルトサックスと比べて本体もケースも大きくなります。

車などで無理なく運べるなら店頭査定は利用しやすい方法ですが、近隣に専門店がなければ宅配査定も選択肢になります。

複数の楽器やアンプなどをまとめて整理したい場合には、対応地域によって出張査定が利用できることもあります。

宅配査定を利用する場合は、申し込み時点で業者が案内している最新の梱包方法を確認してください。

とくにネックなどのパーツがケース内部で自由に動く状態は避けたいところです。

送料、キャンセル時の返送料、運送時の補償、梱包資材の提供などの条件はサービスによって異なる可能性があるため、最新情報を確認してから利用しましょう。


YTS-380は今売るべき?リペアラーとして考える判断基準

ここからは、公開価格そのものではなく、楽器リペアラーとしての私見です。

私は、今後ほとんど演奏する予定がないYTS-380なら、すぐ売却を決めなくても、一度現在の査定額を確認しておく価値はあると考えています。

サックスはケースに入れておけば、コンディションが永遠に固定される楽器ではありません。

タンポやコルクなどには経年変化がありますし、保管環境によって状態が変わることもあります。

一方で、「時間が経てば必ず値下がりする」と断定することもできません。

中古楽器の価格は、新品価格、市場での需要、流通量、個体の状態など複数の要因によって変化するからです。

したがって、「今が最高値だから急いで売る」といった考え方よりも、自分が今後その楽器を使う可能性と現在の査定評価を並べて考えるほうが現実的です。

「学生向けに買ったから安い」と自己査定しない

YTS-380について、私が特に避けてほしいと思うのが「学生時代に買ったモデルだから大した値段にはならないだろう」という自己査定です。

今回確認した公開情報では、イシバシ楽器が美品90,000円、良品80,000円、並品70,000円を示しています。

楽器高く売れるドットコムでも、美品70,000〜90,000円という参考相場が掲載されています。

もちろん、YTS-62、YTS-82Z、YTS-875EXなどの上位モデルとは参考価格帯が異なります。

しかし、上位機種より相場が低いことと、中古価値がないことはまったく別の話です。

むしろ今回の公開情報から読み取れるのは、状態や査定条件によって数万円単位で評価が変わる可能性がある以上、所有者が最初から低く見積もるべきではないということです。

ケースを開けたときに小傷が見つかったとしても、「傷だらけだから1万円程度だろう」と決めつける必要はありません。

反対に、外観がきれいだから「9万円は確実」と考えるのも早計です。

楽器の評価は、その両極端の間にあります。

公開相場は「売値の答え」ではなく査定結果を読む物差し

私がYTS-380の公開相場を調べる最大の意味は、9万円という高い数字を見つけることではないと考えています。

公開相場は、実際に出てきた査定額が妥当なのかを考えるための物差しです。

今回の情報では、美品70,000〜90,000円、中古品40,000〜65,000円という参考帯があります。

別の公開情報では、状態別に70,000円、80,000円、90,000円という価格が示される一方、上限50,800円という例もあります。

この情報を知った状態で査定を受ければ、たとえば50,000円という提示に対しても、単に「安い」「高い」と感覚で判断する必要がなくなります。

「この個体はどの部分が評価を下げているのか」

「タンポなどの整備をどの程度見込んでいるのか」

「外観より機能面が影響しているのか」

「付属品が揃っていた場合に評価は変わるのか」

こうした質問ができるようになります。

査定額そのもの以上に、この「なぜ」を知ることが大切です。

傷の数より「次の奏者が使えるまでの距離」を見る

数多くの楽器を触ってきて感じるのは、所有者ほど自分の楽器の小傷を厳しく評価しやすいということです。

青春時代から大切にしてきた一本なら、ベルについた傷ひとつでも非常に大きな欠点に見えるでしょう。

しかし中古楽器を見るときには、傷の数だけでなく、次の奏者が安心して演奏できる状態までどれくらいの整備が必要なのかという視点があります。

これはYTS-380の査定を理解するうえで重要です。

小傷は多くても演奏状態が比較的良い個体と、外観は美しくても長期保管によって調整が必要な個体では、見た目だけから単純に優劣を決められません。

私はここに、中古楽器査定の難しさと面白さがあると思っています。

楽器には型番という共通の名前があります。

けれど、同じYTS-380でも、吹かれてきた時間、保管環境、整備履歴、傷、タンポの状態は一台ずつ違います。

だからこそ、公開相場を知ったうえで実物を見てもらうことに意味があります。


まとめ:YTS-380の買取相場は中古4万〜6.5万円、美品7万〜9万円が目安

YTS-380の公開買取情報を整理すると、一般的な中古品で40,000〜65,000円、美品で70,000〜90,000円前後が参考相場のひとつです。

イシバシ楽器では美品90,000円、良品80,000円、並品70,000円。イケベ楽器店では2025年10月7日公開の情報として、新品に近く付属品欠品なしを前提とした80,000円が示されています。

リユース相談本舗では上限買取価格50,800円、楽器高く売れるドットコムでは美品70,000〜90,000円、中古品40,000〜65,000円という参考相場があります。

ただし、状態別価格、参考相場、上限買取価格は同じ意味ではありません。

今回確認した中心データも、特定個体が実際にその金額で成約した実買取事例ではなく、各社が公開している価格情報です。

だから4万〜9万円という幅を「必ずこの範囲で売れる」と考えるのではなく、自分のYTS-380の査定結果を理解するための基準として使ってください。

査定前には型番とシリアルを確認し、ベル、U字管、ネック、キー、タンポを無理のない範囲で見ておきましょう。

ケース、純正ネック、マウスピース、リガチャー、保証書、取扱説明書、工具、修理明細などが残っているなら、一緒に整理しておくと安心です。

一方で、凹みの押し戻し、キー曲げ、分解、強い研磨などを査定前に行う必要はありません。

タンポ交換などについても、支払った修理費を査定額で回収できるとは限らないため、現状査定→評価理由の確認→必要なら修理を検討という順番が合理的です。

学生時代から使ってきたYTS-380に傷があっても、その傷だけで楽器の価値を決める必要はありません。

まず型番と現在の状態を知り、市場ではどのように評価されるのかを確認する。そのうえで、手元に残すのか、もう一度吹くのか、次の奏者へ託すのかを決める。

私はその順番こそ、大切な一本を「よく分からないまま安く手放してしまった」という後悔から守る、現実的な方法だと考えています。


よくある質問

YTS-380の買取相場はいくらですか?

今回確認した公開情報では、一般的な中古品で約40,000〜65,000円、美品で約70,000〜90,000円が参考帯です。

ただし、状態別買取価格、参考相場、上限買取価格など異なる種類の数字が含まれているため、実際の査定額を保証する価格帯ではありません。査定時期や個体の状態によって評価は変わります。

長期間吹いていないYTS-380でも査定できますか?

長期間演奏していないという理由だけで、自分で価値がないと判断する必要はありません。

ただし、保管期間が長い個体ではタンポやコルクの経年変化、キーバランスのずれなどが生じている可能性があります。売却目的なら高額な修理を先に行うより、まず現状のまま査定を受け、どこが評価へ影響しているのか確認する方法が分かりやすいでしょう。

YTS-380はケースやマウスピースがなくても売れますか?

付属品が欠けていても、本体が査定対象になる可能性はあります。

ただし、公開価格の中には付属品の欠品がない状態を条件としている例があります。純正ネック、ケース、マウスピース、リガチャー、保証書、取扱説明書、工具、修理明細などが残っている場合は、自己判断で処分せず、本体と一緒に査定してもらうとよいでしょう。

瀬野奏(せの かなで)
フリーランス楽器リペアラー

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